金属の表面に皮膜を作る処理

金属は様々な分野で使用されていますが、中には長期的に使っていく内に空気と結合して、錆びてしまうものもあります。錆びは金属の耐久性を低下させると共に、見た目も悪くします。それを防ぐための方法のひとつがリン酸処理で、金属の表面で化学反応を起こし、薄い皮膜を作るというものです。また見た目を変える目的で塗装をする場合、使用する塗料と金属の相性が悪い時に、リン酸処理でできる皮膜を下地に使うこともあります。そして基本的には鉄を対象に行う処理ですが、亜鉛やアルミニウムなどにも施すことができます。

種類によって性質が異なる

リン酸処理に使用するのはリン酸塩の性質を持った薬液ですが、複数の種類があります。細かく分けるともっと多くの種類がありますが、代表的なのはリン酸亜鉛とリン酸カルシウム、リン酸マンガンの3つです。そしてそれぞれ異なる性質を持っているため、元となる金属をどのような目的で使用するかに合わせて選ぶ必要があります。リン酸処理の中でも用いられることが多いためスタンダードとも言えるリン酸亜鉛は、皮膜が結晶状になるのが特徴です。その結晶は塗料としっかり結びつくため、下地に向いています。

リン酸亜鉛と同じように結晶状の皮膜を作るリン酸カルシウム処理は、熱に強いという特徴があります。そのためリン酸亜鉛では対応しづらい、高温での塗装を施すことができます。リン酸マンガンは皮膜の結晶が他の種類よりも大きいのが特徴で、それに伴って皮膜自体も厚くなります。さらに硬度も高いため、表面に摩擦が発生する環境で使用する際に選ばれることが多いです。

リン酸処理は、金属の腐食を防ぐために行われる処理方法のことです。いくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。代表的な方法として、自動車や工業製品の分野で幅広く扱われています。

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